『ユースワーク』を切り口に・・・

 

 ユースワークやその近縁領域を職とする人は、サポステ、ひきこもり支援団体、フリースクールなどのスタッフとして全国に数千人規模で存在します。また、青少年施設のスタッフも同様の規模となるでしょう。しかし、それらの人は、一部の公務労働者、独法や外郭財団を除いて、比較的に低い給与であったり、有期雇用で不安定な状態にあったりすることが多く、専門性を持ったスタッフではあっても、「ボランティア」として活動に従事している場合も少なくありません。

 

 同時に、一口に青少年活動に関わるといっても、団体・組織・機関・施設のバックグラウンドが多様であるため、実践スタイルや基盤となる考え方や方法論も極めて多様にあります(レクリエーションベース・教育機関ベース・ひきこもり支援ベースなど)。

 

 そこから、①仕事の不安定性、②専門性の曖昧さ、③職能団体・業界団体・コミュニティの不在が課題として指摘されてきます。当然に資格化も不十分であり、そのために近隣他領域の資格(社会福祉士や心理資格、キャリア資格など)を取得することで、それを補おうとすることも見られます。

(新たな資格化の動きとして、子ども若者支援士や社会教育士の資格化への動きがあります。)

 

 こうした不安定さや過度の多様さからくる、積み重ねの不十分さを克服するため、専門職性の確立が一つの目指すべき方向となるが、専門職の要件を考えた時に、専門職集団(専門職コミュニティや職能団体)の存在が必須といえるでしょう。

 各地で目の前の若者とかかわりながら奮闘するスタッフたちが、実践の根拠をもち、専門性を高めながら力づけていけなだろうか・・・「ユースワーク」という切り口でワーカー同士のコミュニティをつくりたいと立ち上がりました。